私的「Fate」入門
2004年の発売以来、今やノベルゲーの分野だけではなくアニメやソシャゲなどでもヒットを叩き出す「Fate」の世界。原点である「Fate/stay night」を元にして現在でも様々なメディアミックスが試みられています。
私も大ファンの1人であり、何か動きがあるたびにワカメの如くゆらゆらし始めています。
さてその「Fate」、現在ではアニメや小説、ゲームなどなどオタク文化圏のどこにでも影があるだけあって「全容がつかめない」「どこから見ればいいかわからない」「セイバーってどういう人なの」などなど、様々な意見が見られます。1ファンとしては差し出がましいかもしれないですがここで一つ入門書のような文をこさえてみようと思います。お役に立てろ、この通りにしろ、とは言いません。むしろ好きなところから楽しむのが最適ではあると思うのですが、「Fate」に触れるとき、一瞬でも参考になってくれれば幸いです。
さて、一旦Fate関係の原作として扱われるもの(派生が多いので(めんどくさいので))を全て羅列してみましょう。
Fate/stay night、Fate/hollow ataraxia、Fate/Apocrypha、Fate/Zero、Fate/strange fake、Fate/Prototype、ロード・エルメロイⅡ世の事件簿、Fate/EXTRA(CCC含む)、Fate/Grand Order
こんなトコでしょうか。アレがないこれがないっていうのもあると思いますがとりあえず原作として扱われる作品はこれくらいでしょう。多いです、引きます。
一応全てがstay night(以下sn)に戻る二次創作です。Fateのわかりづらさの理由としてsnの二次創作の二次創作の二次創作のような作品が公式でバカスカ出るのが理由でしょう。正直私も全て追っているわけではないのですが、とりあえずこの原作群を抑えておけばまあ、問題ないと思われます。
「Fate」入門
snをやってください。ゲーム版を。スマホ版はセイバールートが無料配信されてます。凛ルート、桜ルートは2500円程度で買えるはずです。
PS2版も出てます。中古で1500円しないで買えるのではないでしょうか。
PC版は現在、ダウンロード販売が停止しているため中古PCゲーム屋(R18版ですが)に行くのが最上でしょう。
と、突き放すのは簡単です。と言うか正当はこれです。押し付けがましいかもしれませんが、これを通るのが前提だと思ってるフシがあります。
ですが、入門、と銘打つからには想定を増やしてみようと思います。
まずはアニメ化、という間口の想定としては一番広いものから行きましょう。
Fate/stay nightは所謂ギャルゲー、エロゲーと呼ばれるノベルゲームの一種です。この文化に馴染みがない方も多いと思います。概ねのところ、選択肢によって付き合う相手が変わるandそれに応じてストーリーが変化するというものであると考えてください。
Snでは3つの攻略相手/ストーリーが有り、通称セイバールート、凛ルート、桜ルートの三種類です。現在アニメ化しているのは前二つであり、桜ルートは後に劇場アニメ化されるという話です。
さて、アニメで入ったという層は幾つかパターンが有ると思っています。2006年、DEENで制作されたアニメシリーズ版。こちらはセイバールートに当たります。そして同じ制作会社で2010年、劇場版として制作されたものこちらは凛ルートにあたります。
そして凛ルートは制作会社をufotableとして再び映像化、テレビシリーズとして放映されます。
もう一つの映像化としてFate/Zeroから入った人もいると思います。こちらはFate全体の前日譚となっており、原作も奈須きのこ本人ではなく、虚淵玄が書いたsnの二次創作にあたるものです。
アニメとしては以上でしょうか。では順番に解説していきます。
作品内時系列としてはZero→snの共通設定の話→各ルートと言う具合になっていきます。
しかしながらZeroはあくまで二次創作。まずsnから入っている人のほうが多いと思います。
それではアニメ、という媒体でFateの原点を追う最適解はどれになるのでしょうか?
おそらくここまでの流れを見ると、DEEN版を見た後Zeroを見て、そしてufo版を見るのがいいのでは?と思われるかと。
もちろんDEEN版も面白いです。概ね好評化ですし、当時見ていた、という方々も少なくはないでしょう。しかしながら10年前のアニメ、今と違い技術的にも絵的にも少々古く、なんとなく抵抗があるという意見も少なくはないでしょう。
以上を踏まえたうえで、ufo版凛ルートを視聴した後Zeroを視聴する、これが私のおすすめです。
ぶっちゃけ全部どこから見ても大丈夫なんです、どれも中々のクオリティでできてますんで。時系列を~とか成長を~と言っても正直セイバーの正体なんてみんな知ってますし、どこからでも大丈夫です。
しかし、現在のFateに興味ある層におすすめするのは何よりもufotable制作のアニメ二本を見ること。それが第一であると思います。
その上で興味をもってくれたかたはスマホ版で無料配信されているセイバールートをやりましょう。以上が最適解だと思います。
派生作品の諸々
Zeroの話は上記の通りなのでここからは派生作品についてお話しましょう。
snをまず通ること、もちろんアニメより原作のほうが好ましいですがそのハードル的にアニメ版を見て、そしてスマホでセイバールートをやった、というのが前提条件になります。
前提条件と書いたもののどっからやっても面白いと思うんですけど、まあ推奨程度と思ってください。
次にやるべきはFate/hollow ataraxia、なぜならsnの直系の続編でシナリオ担当も同じだから。
と言いたいですが、アニメだけの人はあまりお勧めできません。桜ルートまでやったファンへのご褒美のようなポジションなのです。
幸い凛ルートまではアニメで網羅できます。これをやろうと思った方はその前にスマホ版で桜ルートを購入してからやりましょう。
それでは他に、何を見れば良いのでしょう。
ここからは推奨すらなく、「Fate」と書いてあるもの、何をやっても見ても大丈夫です。
ここからは完全主観、面白い順に羅列していきます。
まずは頭一つ抜けて面白いのはFate/EXTRAだと思います。CCCまで含めてです。
奈須きのこ本人が書いてるだけあって折り紙つきです。内容的にはsnのパラレルワールドですが、もう一つの正史と言っても過言ではないでしょう。PSP、vitaでダウンロード購入、もしくはPSP版の中古購入ってとこでしょうか。おそらく現在のFate系列では一番面白いです、やりましょう。
次点は、ロード・エルメロイ二世の事件簿、Fate/strange fakeだと思ってます。
三田誠、成田良悟というライトノベルが好きな方で知らない人はいないであろう、有名ドコロが書いてあるだけあって面白いです。文章も洗練されていて読みやすく、チェックして損はないものであると思っています。
残りは同列、というところでしょうか。Fate/Grand Orderというソシャゲがありますので、そこで興味を持ったサーヴァントを確かめる、と言った具合に読んでいくのが良いと思います。
まとめ
何度も言っていますが、これはあくまで推奨です。好きなところから見れるのもFateの面白さだと思います。しかしながら一つのストーリーとして、また派生作品を見て楽しむためにもsnは可能な限り見て欲しい、やってほしいものであります。最近はアニメだけ、でも他はわからないという方も多いためここで筆を執った次第です。
Fateだけでなく、TYPE-MOON作品の特徴として、世相にあった作品を作ることが特徴であると思っています。
とくに最近「艦これ」に代表される二次創作の間口の広い作品が受けるという流行りに乗ってソシャゲ、さらに公式で二次創作を多く出すことで多くの人に楽しんでもらえるようにコンテンツを重ねていることは会社としての柔軟性を感じて、支持していきたい理由の一つとなっています。
かと言って、二次創作を見る楽しさだけではなく一つの物語として高いクオリティの作品を送り出していること。「魔法使いの夜」のようなそれだけで何度も読みたくなるようなコンテンツを出していること。多くの人に訴求していくうえで大切なことを見失っていないところがFate、ひいてはTYPE-MOONの強みであると見ています。
雑文となってしまいましたが、以上となります。どうかこれを読んでくれた人が興味を持って、Fateに触れてくれることを願います。