nagi103’s diary

好きなものだけ語りたい

視点をアイコンに集中させること

 

唐突ですが、あなたの一番好きなキャラクターを想像してください。

 

 

今回は、創作物を愛し、コンテンツ消費を趣味とする人たちを想定して一つお話をしようと思います。

「キャラクターのアイコン化」についてです。

 

現代には様々な創作物が溢れ、所謂メジャー、同人のようなインディースに属するものを含め、おそらく全て把握出来る人はいないほどのストーリーが作られています。その中には億を超えるキャラクターが存在しているものです。

キャラクターを印象づける第一印象、それは「見た目」です。

そこからキャラクターの性格が語られ、生い立ちが語られ、ストーリーが展開していく中でキャラクターに愛着がわくという感覚。

しかし、近年、「見た目」以降の感覚が削ぎ落とされ、それを端的なキャラ付けで補うコンテンツが増えている感覚があります。

 

例えばソシャゲ。このコンテンツでは特に強く感じています。

もちろん早期にキャラクターを好きにさせ、課金する、という図式が企業の収入になる以上仕方のないことだとは認識しています。

しかしながら、例えばピーキーな性格を取り入れるとき、例えばストーリーがあるコンテンツですとそうなるバックヤードを語るのが一般的です。

それを語らず要素だけを入れる、というのはいささか邪道なのではないかと感じてしまうことがあるのです。

また、とりあえずキャラクターを脱がせる、性的アイコンとしてわかりやすく変換する、というのもまたよく使われる手法です。青年誌や最近の少年誌でもよく使われますが、性的アイコン化と言うのは得てして受け手の強烈な欲求と紐付けられ購買意欲につながるものです。安易ではありますが、確実な手法ではあります。

 

アイコン化というのは利点が多いものです。見ただけでわかるキャラクターという安心感、制作側のコスト軽減等、極端な話金に直結するソシャゲというジャンルとアイコン化の特性は上手くマッチしているのでしょう。

更に言えば、その情報から更に二次創作へと発展していかせやすい、というメリットが有ります。

一次創作側が完全にストーリーを作り手綱を握る状態では、あまり極端な二次創作ができないという欠点があるものです。

受け手の一部が欠けたストーリーの補完を担い、それが他の受け手に供給されることで元の隙間を埋める。本来は一次の主体がやっていたことを外部で勝手に補完してくれることでコストを少なく一つの市場が完成する、という状態です。

 

この状態には好ましくないことも多く、キャラクターにありえない行動をさせる二次創作が氾濫していることが最たるものではないでしょうか。

アイコンがはっきりしているコンテンツは得てしてそれを流用したコンテンツが作りやすいものです。

アイコンだけで成立するものであればともかく、きちんとストーリーを成立させた作品において、キャラクターにありえない行動を取らせることも少なくありません。

元の創作物を愛する人にとってはどうしても認められない事が多い、しかしその人気が出て作品の宣伝になるという結果も多く、なかなか難しいところではあります。

 

アイコン化はある意味で間口を広げましたが、その分全体の中でエゴイスティックな一部が目立つようになってきたのも事実です。

せっかく興味を持ってくれたなら、もっと記号以外のところも楽しんだほうが充実するよ、と思ってしまうものです。